− 勇敢な戦士達 − |
「皆、揃ったな〜」
ゴンが周りを見ながら言った。
「話はターミー様から聞いた通りだ。君たちは選ばれた戦士なんだ。辞退する者は今のうちに申し出てくれ。」
ウランはまだ悩んでいた。タタミはやる気十分で楽しそうにしている。タタミと違っておとなしいウランは自分にできるのか不安なのだ。
「ウラン、大丈夫だよ僕がついているから。」
タタミが背中をかるく叩いた。 |
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「ピース君は大丈夫なの?何で僕達なんだろ…」
不安そうにピースに聞いてみた。
「大丈夫だよ、僕はやるんだ!」
ピースの意外な返事に驚いた。どちらかと言うと同じく大人しい方に入る存在だったからだ。ゴンの声が響いた。
「みんなで助け合って行くんだぞ。」
ゴンはソラを呼んだ。
「これから剣の使い方を覚えてもらう。ビーンズ王国から来たソラに指導してもらう。」
「僕はソラだ、よろしく。みんなの力が必要なんだ。頼むよ。」
そう言うと腰に刺していた剣を出し、使い方から指導が始まった。
「練習だけ、仲間に入れて。」
その声に驚いてふと横を見るとカオリがいたのだ。
「カオリちゃん、練習しなくても…」
厄介なことを思い出した。以前、遊びでコテンパンにやられたことがあったのだ。
「僕が相手になるよ。」
ジュウが近づいてきた。ウランは…
「ピース君、やったことある?僕にできるかな〜」
するとタタミが横から言った。
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「ピースはビーンズ王国の王子なんだ。だから出来るんだよ、ウラン。」
ウランはピースの顔をじっと見た。
「そうだよね、王子なんだからできるよね…」
するとピースが小声でウランに言った。
「実は僕、とっても苦手なんだよ。いつもソラに習ってるけど上手くならなくて…」
ピースはにっこり笑った。それを聞いたウランも少しは安心した。
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「そうなんだ、僕も頑張ってみるよ。」
「ターミー様。皆、頑張っていますね。」
トンが眺めながら言った。
「この子達に王国の未来を託そう。上手く行ってくれることを祈るばかりじゃ。しかしトン!トンはカオリが何かしでかさないよう見ていてもらわなくてはいけない。大丈夫か?」
「え〜と、それは大丈夫です。チャンとゴンも居ますので…。」 |
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苦笑いをしながら答えた。
「トンはカオリに甘いからな、うまく言いくるめられないようにしてくれよ。」
「わかってますって。」
大きな声で胸を張って答えた。
影からその様子を大きなうさぎと白い猫が伺っていた。
ジャックとアニーだ。 |
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「ちょっと見て!皆下手ね、剣で遊んでるみたい。ジャック、私達もそえろそろ動かないといけないんじゃない。 |
「そうだな〜どうするか…とりあえずピョン王に報告でもするか。ピース王子達の様子を見て俺たちも動かなくては。」
「楽しくなってきたわ。宝を手に入れるのも、もう少しかしら。」
「それより、あの変わり者のミューミューともお別れしないとなアンジェ。」
「やめてよその名前。お別れしたらもうアンジェなんて呼ばれることもなくなるわよ。」
ジャックは笑みを浮かべながら森の中へ消えていった。
そして…
「3日後の午後だ。タタミ王国を立ちビーンズ王国へ向かう!」
ソラが大きな声で言った。
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